キックとベースについて思ったこと

 先週末飲みがありまして*1、爆速で酔っぱらってキックとベースについて思っていることを話したら「どっかにまとめろ」ってせっつかれたので書きました。他の誰かがもっと高い精度で書いている気がするんですけどね。

 

 (注意)この記事の内容は完全に僕の主観を元に構成されているので間違っていても知りません。加えて筆者は音楽・音響について何か専門教育を受けたというわけでもありません。またこの記事を書くにあたって文献とか探したりもしていないのでネット上の何かと内容が被る可能性も大いにあります。参考までに筆者のリスニング環境はt.c.の古いインターフェース*2YAMAHA HPH-MT8です。

 

 予防線おわり。じゃあやります。

 

はじめに

 タイトルには「キックとベースについて」とありますが具体的にはキックとベースを合わせると相互に強化されあっていいんじゃない?みたいな話です。*3

「キックとベースのリズムを合わせろ」「バンドの縦を合わせろ」なんてバンド経験者(特にリズム隊)は聞いたことがあると思います。じゃあキックとベースのリズムが良い感じに合ったときに何が起こるのか。

 その辺についてなんとなく考えていることを書いていこうと思います。

 

僕が思うキックとベースが相互強化しあっているサウンドとは

 まずは参考例を貼ります。 

 

0:47~あたり

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1:20~あたり

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0:41~あたり

www.youtube.com

 

バンド系だと

1:14~あたり

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0:36~あたり

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1:19~あたり

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 打ち込み系、バンド系で聞こえ方はちょっと違いますがキックとベースが組み合わさって強い音(強い音)が出ていると思います。例として分かりやすそうなものを挙げましたがもっといろいろあるかもなので教えてください。*4*5

 

 

何が起こっているのか

 前提知識としてスーパーふわふわ話をします。

シンセでキックの音を作るときにオシレーターのピッチを急速に下げるという手段を使います(この急速なピッチ降下が低い周波数で起こるとキックの胴鳴りになります)。

これにノイズとかで高周波数の成分(生ドラムだとビーターとヘッドのペチッという衝突音)を足したりしてキックを作るわけですね。

以上より、高音が鳴った後そこから低音へと急速にスウィープダウンする音を我々はキックと捉えていると言えそうです(強引ですね)。*6 

 ではここからが本題、キックとベースが合ってるときに何が起こっているんでしょう。

 

・ベースがよく見えるようになる

 ベースがしっかり聞こえるようになると思います、なぜでしょうか。

上記のキックについての話を踏まえながら理由を考えてみました。*7

 

①キックが鳴った時、高音(アタック音)が耳に届く。

②人間の耳はアタック音を追いかける。

③キックの音は低音へとスウィープダウンするので耳もそれを追いかけて低音へ意識が向く。

④キックを追いかけている最中にベース音の主成分*8を発見する。

 

 キックの音がベースの低音成分へのガイドになるわけです。人の耳は意識しないと低音を認識しづらいので*9ガイドしてあげることで低音の量感がしっかり伝わるのだと思います。*10

 

・キックが太くなったように感じる

 キックのサステイン部分に注目してみましょう。前述の通りキックのアタックを追いかけていた結果ベースを発見するわけですが、意識の動き的にアタックから下がっていったピッチがある点(=ベースの主成分がある点)で降下を止めてその場に留まっている、という見方もできます。*11

この時、キックはTonal Kickと言われる音*12の作りに似ていると感じられます。

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 これのドロップ(1:30~)とか分かりやすいと思います。このキック太く感じられますよね。キックペダル踏んだらベースも発射されてる感じ。

 ベースと合わせて鳴ることによりキックの低音成分が増えてより太くなったように感じられるわけです。

 

キックとベースがくっついて

 キックとベースがくっつく*13となんかすごい低音兵器が生まれることが分かったと思います。例示した曲にキックとベースのパターンをしっかり合わせているものが多いので「これは8ビートロックとかだとどうなの」みたいに思うかもしれませんがドラム、ベースがそれぞれ一定音量でバッキングしながらもアンサンブル全体ではうねりが生まれるのでこの辺がグルーヴとかになるんじゃないでしょうか(グルーヴという言葉は怖いのであまり使いたくない)。

 

 さらにアンサンブル内の他の楽器も縦をそろえて音をくっつける*14ようにすればとてもダイナミックな音楽になると思いますし*15、ボーカルやソリストがいる場合はメイン-バッキングの関係がより明確になり楽しくなるんじゃないかなと思っている次第です。

 

 デカい音を浴びると分かるように低音のパワーはデカいです。デカいんですがちょっとだけ認識しづらかったりもするのでキックとベースのくっつきを利用してあげたりするとより楽しい低音に浸れてハッピー、みたいなことを書いてまとめっぽくします。

 

 考察や考え方が詰め切れていない*16文章ですがその辺はご勘弁ください。ここまで読んでいただきありがとうございました。

*1:タコ燻製はじめ料理がおいしくビールとホッピーをやたら飲んだ覚えがある。

*2:Windows10用のドライバが存在しないの本当に面白い。

*3:もしEQなどによるキックとベースの住み分けとかみたいな話だと思っていた人がいたらごめんなさい。

*4:例としてちょっと分かりづらかったのでRUN REMIXとか外しちゃったけど良すぎて10回以上聞いて参考例探しが止まった。

*5:本当はロック系で何個か例示したかったけど面倒くさくてやめてしまった。OK Goとかどうなんでしょう。

*6:画像を用意するのすら面倒くさがってすみません。

*7:こじつけとも言う。

*8:主に2,3倍音あたりかな。

*9:うろ覚えだけどラウドネス曲線とかを調べるとこの辺あれだと思います。

*10:もちろん音源の場合は2mix内にしっかりした量の低音成分が含まれている必要がある。

*11:当然ベースの下へ潜っていったという見方もある。

*12:完全に余談だけどTonal Kick Tutorialつってガバキックを作る動画がけっこうありなにかが繋がってしまった感がある。

*13:記事頭の方では合う合う言っているけど僕個人の印象に一番近い表現は「くっつく」。

*14:ラウド系で言うところの楽器隊で周波数の住み分けをしっかりして縦を揃えて圧を出す、とかもこういうコンセプトなのかなと門外漢なりに考えている。

*15:例示したLose Itのドロップはこのあたりマジでヤバく、だいたい全部の音がくっついた結果として空間が揺れるようなサウンドになっている。

*16:ベースの音について基音~3倍音が強いものだけを想定している、エレベの歪みを議論に入れていないなど、本当に穴だらけです......